ドゥビレイセラスのへそくり抜き挑戦
これまで前回記載したキャライコセラスと並んで時間かかるので敬遠してきたのがドゥビレイセラスのへそクリーニングです。
ドゥビレイセラスの事情
小さい個体はまだ彫刻刀やタングステンでいけるものの、1kg超え個体は現地側は最初からへそは手つかずで出荷してくる場合も多いです。大きな個体は、金槌とコンクリート針でコンコン叩いて母岩をはずしていきますが、キャライコセラスよりも楽です。
理由は明白で、現地人は大量研磨を機械で行っているため、角度のあるドゥビレイセラスのへそ部分は死角なのです。
しかしながら、現地人もへそが潰れているかどうかの見極めは数を処理しており私なんかよりも当然長けています。
母岩に埋もれていると判断してあえて手つけずにしてる場合も多くあります。

黄鉄鉱による妨害
これは種に限らずですが、マダガスカル産アンモナイトにも黄鉄鉱(パイライト)が含まれることは頻繁にあります。特に、おへそから口部分付近にかけて黄鉄鉱化していることが多いです。
今回へそ出しに挑戦した個体も、まさにへそ付近が黄鉄鉱化しており現地人が手をつけるのを見送ったのも納得でした。
なお、黄鉄鉱が入っていると切り出し彫刻刀やデザインナイフ、タングステンでの対応は怪我のリスクもあり厳禁です。
こうなると、こびりついてる黄鉄鉱混じりの母岩を少しずつ除去しておへそに向けてどれだけ角度をつけていき立体的に見せるかどうかだけが焦点になります。

おへそクリーニングの撤退時期、引き際
一番難しいのが、おへその母岩くり抜きをしていてこれ以上やっても貫通して穴あくと見極めて手を出すのを止めるタイミングです。
こればっかりは場数を踏んで経験を積まないと近道はありません。ただ、もう潰れているとわかったらやめる方が無難なんだろうと最近は私は判断しています。
この作業が商品価値や見映えにどれほど影響するかは、自己評価だけでなく落札額や売れ行きで判断していく以外にはありません。

マダガスカルの母岩の硬度について
日本人の大半の方は、北海道産のアンモナイト研磨、クリーニングで経験を積んでいるかと推測します。
私の場合、母岩が柔らかいマダガスカル産アンモナイトから場数を踏んでいるので真逆のプロセスになります。おそらく北海道の母岩と向き合い経験を積んでる方からすれば、マダガスカル産の母岩取り扱いは容易に映るはずです。
マダガスカルといってもマジュンガ地層とチュレア地層、メナベ地層の母岩は質は全く異なります。
イメージとして、硬度が高いのメナベ地層(カルサイト含有)、チュレア地層(赤土)、マジュンガ地層(灰色)の順との印象を私はもっています。
へそのくり抜きをする作業だけでも地層ごとに種ごとに道具は変わってきます。
もちろんチュレア地層の個体でも経験を積んでいれば、コンクリート針で短時間で作業を終えるプラス効果を見込める人もいます。しかし、私の現在の経験値ではチュレア産個体にその道具選択をすれば破損リスクを増大させます。
このようにアンモナイトのクリーニングも、自分の経験値と対象となるアンモナイトの母岩や個体自身のもつ個性と向き合って最適解をはじく必要があります。
