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メナベ地層アンモナイトは何故市場流通しない?

メナベ産個体の経緯

2020年頃からメナベ産のアンモナイトを仕入れてます。現地の取引先から販売ラインナップに追加可能な種として提案されたことがことの始まりです。

ただ、1kgあたりの単価が非常に高いことと個体数が少なく奇形のような個体も多いことから決断には当時時間を要しました。

見てのとおりずんぐりしたフィロセラス族の個体が大半を占める

私が推測する市場でメナベ個体を見かけない理由

メナベ産アンモナイトは市場流通しません。まとまった数を輸入する業者はほとんどいません。

思い当たる理由はいくつかあります。

1.まず外観のとおり、マダガスカルでは原石判定されてしまいます。原石の輸出は首都から出すにはハードルが高く、鉱山省との交渉が必要になります。

2.次いで原石判定とも絡みますが、港の税関職員が原石判定された個体を離陸前に盗む傾向があります。これはクレームされても原石が本来輸出されることはない想定なんで、輸出業者は損害賠償請求はしづらいのです。ちなみに私も2020年に段ボール箱の半分メナベ産アンモナイトが日本に到着したときにはなくなってました。

3.そして最後にこれが一番大きな理由ですが遊色がなく、玄人向けの標本に位置するからだと私は思ってます。

一方で古生物学の研究をされている方々には、非常に興味深い個体がたくさん産出されているのがメナベ地層の特徴でもあります。2020年当時に種の同定を試みたこともあるものの、有名大学の研究者でも100%の自信をもって断言されたことはないくらい謎が残ります。

メナベ産アンモナイトの多様性

種は多様に存在するものの、正確に名称があるとすればシュードシューレンバキアくらいでしょう。

他のそもそも供給量少ないからあえて誰も調べないのかもしれませんね。

写真からもわかるとおり結晶がびっしり

現地人の見解ではフィロセラス族とみなされている種の内側には結晶がびっしり詰まっているのが写真からわかります。

そしてメナベ産と称して仕入れる個体の大半を占めるのがこちらでエピマヤイテスと思われる個体です。初めて輸入した際には見た目がずんぐりしており、オウムガイかと勘違いするような姿に驚きました。

外観はオウムガイ並みの厚さですがれっきとしたアンモナイトのエピマヤイテス(Epimayaites sp)
メナベ産で唯一はっきり名称が出るシュードシューレンバキア(Pseudoschloenbachia)
正体不明の個体
鏡餅のような段がある個体
トリュフチョコような見た目の個体、詳細不明

今後の可能性

これまではメルカリとBASEで少数を販売してきました。仕入れ単価が高いため、競り形式での出品は困難です。一方で、定価方式の販売プラットフォームが3つになってきたので定期的に出品数を増やしてもよいかとは思っています。

他の国で見つかっているマクロセファリテスと年代が違うものの、メナベ産アンモナイトの外観は似ていたりします。

どこかで比較対象として需要が出てくれば、いつかメナベ産アンモナイトが脚光をあびる日がくるかもしれません。

この記事の著者

たまき

管理人のたまきです。
1979年11月13日生まれ、これまでアフリカで建設業を通じフランス語通訳や石油ガスプラントの海外営業業務に従事してきました。

アフリカの地政学リスクを取捨選択して事業展開しています。
他の販売者が仲介業者を介すところを自分だけで直輸入することで、コストを最大限カットし低価格と高品質を両立しています。
2018年よりマダガスカル産アンモナイトを年間トン規模で仕入れて販売しています。

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