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オウムガイ(ノーチラス・キマトセラス)

アンモナイトではありませんが、看板商品として下支えしてくれているオウムガイをとりあげます。

オウムガイの化石は、マダガスカルではノーチラスと呼ばれ研磨個体が特に人気があります。

2019年に初めて入荷した際は同業他社が高額定価販売しかしておらず、競り形式で相当売上に貢献してくれました。

ところが、定期出品を継続した結果ゆえに市場が飽和状態に陥り相場の暴落を招いてしまいました。

それでも今でも一定の需要はあります。

今年の5月からはオウムガイでも殻がついたキマトセラスを中心に出品しています。キマトセラスは輸入までにさまざまハードルがありました。殻付きの化石を外国人が輸出することをマダガスカル鉱山省は嫌がります。これには明確な理由があります。

さらにキマトセラスは現地では研磨を経てない個体とみなされ、詳細はここには書きませんが輸出に伴う特別な措置が必要になります。これが同業他社が輸入をためらう大きな理由です。

何度となくSNSで説明してきた内容と重複しますけれどもマダガスカル人の失業率は高止まりしており、研磨作業や殻を剥く作業に現地人を従事させて雇用を生み出したい現地政府の意向があります。

これに真っ向から対立するのが原石持ち出しを試みる中国人です。中国本土に原石を持ち出して加工されてはマダガスカル人としては外貨が国内に落ちないので旨味がないのです。

話は戻りオウムガイがなぜ研磨個体しかこれまで日本国内で流通してこなかったか説明します。

ここで一枚研磨される前の殻つきの状態を写真で見ていきましょう。見てのとおり、あまり状態はよくありません。つまり、殻がついた個体には状態よい個体はほとんどないのです。当然のことながら、そのまま出荷はできませんし、その流れで市場にも流通しないと私は考えてます。

アンモナイト村で実際に見た地層から出たばかりのキマトセラス
母岩で溝が埋まってる状態

ではこの状態からどうやったら市場流通させられるか考えてみましょう。

まず母岩を取り除くのはアンモナイトと同じです。さらに殻がえぐれている箇所を目立たなくする必要がオウムガイにはあります。

ここで行われるのが殻をはがし、表面を滑らかになるまで研磨して削ぎ落す作業です。

母岩がクリーニングされ殻が剝がされている状態、表面は既にツルツル
これが完全に研磨された個体です。殻は剥がされ研磨機でツルツルにしてあります。
欧米で人気のカルサイト化したオウムガイ

オウムガイにも遊色が入る個体はあります。ただ、アンモナイトほど遊色によって付加価値が増す印象はありません。

赤遊色のオウムガイ
キマトセラスの殻に青が入る個体
私が見た唯一緑の遊色が入る個体

オウムガイにも黒個体とパイライト個体は存在しています。

渋い色合いの黒オウムガイ
オウムガイの黄鉄鉱(パイライト)個体

昔はオウムガイのミニ個体まとめ売りもよくしていました。

ミニオウムガイは昔大人気でしたが現在は残念ながら入荷不可
今年初めて入荷したチュレア産オウムガイ

研磨作業の経過とともにおさらいしました。

今年は殻つきキマトセラスのみを仕入れました。その背景には、今般の物価上昇はマダガスカルにおいてすさまじく研磨済個体は割高になるため、先述のとおり市場飽和状態につき入荷を見送りました。

また、キマトセラスの殻つき個体の方がいわゆる化石マニアの方には人気があることも理由の1つでした。

今後も物価の安いマダガスカルにおける化石価格は上昇する傾向にあります。今回はキマトセラスを大量に入荷しましたが在庫がなくなれば再入荷できるかはわかりません。

化石もそのときのタイミングと出会いになります。気になるオウムガイが見つかればコレクションの中にいかがでしょうか?

この記事の著者

たまき

管理人のたまきです。
1979年11月13日生まれ、これまでアフリカで建設業を通じフランス語通訳や石油ガスプラントの海外営業業務に従事してきました。

アフリカの地政学リスクを取捨選択して事業展開しています。
他の販売者が仲介業者を介すところを自分だけで直輸入することで、コストを最大限カットし低価格と高品質を両立しています。
2018年よりマダガスカル産アンモナイトを年間トン規模で仕入れて販売しています。

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