アンモナイトの修復について
アンモナイトの修復についてふれていきます。
みなさんが化石の修復で許容できる範囲はどこまででしょうか?
私が推測するのは、化石なので埋め合わせや接着までは致し方ないけれども別個体との結合は許容できないといった回答です。
例えば、採掘時点で穴が開いている箇所に母岩を埋め込む修復やおへそが貫通しているので母岩を接着した修復等は仕方ないと理解してもらえることが多いです。
一方で、1つのアンモナイトに別の個体の一部が埋め込まれて1つの個体として扱われている場合は化石好きからは拒絶反応が出る可能性が高いです。
ではマダガスカル人はこの点について、どう考えているか私の見解を書きます。
彼らは、少しでも修復して見栄えがよい状態でアンモナイトを市場に送り出すことが自分たちの仕事であり、アンモナイトに付加価値を与える作業と考えています。
私もこれまで何度となく修復個体を入れるのを避けるよう要望したことがあります。しかし、修復個体が入ってこない可能性はゼロです。また、修復が入る個体に限って発色が良かったり、縫合線に乱れがない綺麗な個体が多いのも動かぬ事実です。
また、一番わかりやすい事例として異常巻きアンモナイトのノストセラスがあげられます。ノストセラスはその形状も影響し修復個体が非常に多いです。もし、修復個体をすべて拒否してしまうとノストセラスの市場流通は困難になってしまいます。
そして、アンモナイトを求める方の中にも工芸品や芸術品として修復個体であろうとオブジェとして必要とする方もいます。
こうした背景を考えると、一概に修復は悪いと捉えるのではなく、自分の判断基準でどこまでを許容するか最適解は何かと線引きしてうまく修復個体と付き合っていくしかないのでしょう。