アンモナイト偽物本物の見分け方
銀座でイベント開催した際に複数の方から、頻繁に投げかけられる言葉です。
「何これ?アンモナイト、本物ですか?」
私なりに偽物と本物について見解を述べます。
アンモナイト偽物が少ない理由
紙粘土等でレプリカ作成イベントでもない限りあまり偽物でアンモナイトをゼロから加工制作する人はいないと考えています。
そもそも単価がさほど高くない個体もたくさんあるので、そもそも費用対効果で偽物のアンモナイトを作る意味があまりありません。
理由は簡単ですね、高いお金をかけて偽物作るよりも少々状態悪くても本物を購入した方が早いからです。
強いて言えば、費用対効果の観点で意味があるのは異常巻きアンモナイトくらいでしょうか。
偽物の定義
次に偽物、本物の定義についてふれます。
世間で偽物と言われるのは合成化石やラブラドライトやカルサイトをアンモナイト型に加工したものを示してることが多い気はします。
池袋の東京ミネラルでもラブラドライトを加工したアンモナイト型の工芸品は見かけました。ただ、これは模造品、芸術品と周知して販売するのは問題ないでしょう。
見分けるコツですが、化石でこんな不自然なほど凹凸に乱れがない個体はまず存在しません。模造品についてはどこかに欠けや凹みがないか注目すれば区別できるはずです。
なお、カルサイトを加工した模造品はカルサイト化したアンモナイトはたくさんあるのでまず作る人は現れないでしょう。
自然由来で融合した黄鉄鉱アンモナイトや磁鉄鉱黒アンモナイトを偽物と呼ぶ人もいないでしょう。

偽物のグレーゾーン合成化石
一番物議を醸しだすのは合成化石の存在でしょう。
マダガスカル産はさほど合成化石の制作技術は現時点で発展していません。
ところが世界に目を向ければモロッコ産異常巻きアンモナイト等は、極めて精巧に加工されており補修の有無の判断には困難がつきものです。
しかし、こちらもただし書きを付け加えて買い手と売り手で納得されているのであれば何も問題はないでしょう。
ここで問題なのは、知らない人または本人は悪意なく合成化石を天然個体として販売する方が出てくることです。
こればっかりは見る目を養うしかないのですが、私も7年以上販売をしていても一見するとわからないような補修は稀に遭遇します。化石自体に罪はないのですが、介在する人がそこに問題を生じさせてしまう可能性は消えません。
こちらの見分けは、下の写真のようにへそ部分中心からいきなり色合いが変わる箇所があります。白から茶色に変色している箇所で流れ変わっています。そこを意識的に見ていけば、すぐに見分けることは可能です。

産地偽装
合成化石とは違う意味での偽物扱いのパターンです。
一番代表格は、カナダ産のアンモライトとマダガスカル遊色アンモナイトを混同して販売することでしょう。
昔、こんな方を目撃しました。
「カナダのアンモライトの知名度を上げるのに貢献するのでマダガスカル産赤アンモナイトにアンモライトの用語を使用することは問題ありません。」
今一度はっきり書いておきますが、マダガスカル産アンモナイトに「アンモライト」の単語を使用することは違法です。
おそらく誤導的なので景表法に抵触してしまいます。
「アンモライト」はカナダのコーライト社が商標登録しており他の国のアンモナイトを販売することはできません。
メルカリで素人の方が知らずに記載するくらいなら不問にされるかもしれませんが、私みたいな大規模輸入を手掛ける人物がやれば大きなトラブルになります。
他にもモロッコ産アンモナイトをマダガスカル産と表記している方、フランス産個体を遺品整理ででてきた日本国産として販売してる方も見かけます。
こういった産地偽装や故意ではない虚偽記載は、偽物と言われる可能性は孕んでいます。

偽物との向き合い方
ここまで偽物の位置づけについて述べてきました。
販売する側が知っていて虚偽記載は論外ではあるものの、意図せずに相手に不快な思いをさせてしまうリスクがあることは知っておいたほうがよいと私は捉えています。

一番てっとり早いのは裁断して内側を見ることなんですけど、そうもできないと思いますのでネット上でも実物でも個体数をたくさん見てみる目を養うことしかトラブル回避の術はないでしょう。
化石の偽物本物判定もすぐには難しい部分があります。「ローマは一日にしてならず」と言い聞かせて数を見ていくしかないでしょう。
私自身もマダガスカル産アンモナイト以外を数見てきているわけではないので、他の国のアンモナイトは目利きの方に意見を求めます。
それくらい手の込んだ修復個体や産地偽装もあるとの認識を頭の片隅には置いておくべきかもしれません。


