仕入れの定義 | 虹色南瓜石(にじいろかぼちゃいし)

BLOG & INFO

ブログ

仕入れの定義

仕入れや買付と一言で表現されているので私なりの仕入れの解釈を書きます。

人それぞれの最適解は異なるため、あくまで私なりの見解、解釈になります。

仕入れとは?

私の中では仕入れ業者が行う「仕入れまたは買付」の定義は、その業者が間に介在することによって末端顧客に付加価値を与えることだと考えています。

世間的にはミネラルショーやどこかのネットショップで購入してそれを仕入れとするのは世間では仕入れなり買付と解釈されるのかもしれません。しかし、私にとってはその仕入れ方法だと転売せどり屋とあまり違いはないと思っています。

お客様が請け負いたくないリスクを引き受け、できるだけ現地の地層から出てきた上流で買い取り流通させることが仕入れだと強く思っています。そこのリスク対価として利益を生み出すのが役割であり責任でしょう。

黒の区分で入ってくる個体は種もばらばら、これを分類し販売する役割

誰でもできる無在庫せどり転売屋は、他人のふんどしで相撲をとる交通費の負担すらしていないので私は絶対に仕入れ業者とは呼びません。

仕入れ業者として背負うリスクとは?

私が考える仕入れ業者の前述のリスクは多岐にわたします。

代表的なものとして、為替リスク及び現地特有の地政学リスク(法改正・現地人の現金持ち逃げ等)並びに輸送時の破損リスク等が思い浮かびます。

とりわけ私だけが引き受ける特殊なリスクも存在します。それは私と現地の職人の間での口約束による採掘費用(車両手配・人件費・ダイナマイトや道具購入費)の半分を私負担とすることです。

現地の梱包に係る人件費や梱包材もすべて折半

この前提条件と大規模な仕入れ量を交換条件として単価を引き下げています。

このやり方は決して推奨できる方法でもありません。万が一掘削作業で失敗し思ったような仕入れ量が確保できなかったときには私の大損失になります。

ただし、そのリスクを背負ってまで仕入れをする人に対して現地人との間で信頼関係が生まれ現在に至っています。現地人からすると、キャッシュフローは物価上昇とあいまって死活問題です。

リスクを取らずにいいとこどりをしようとする買付は現地人から見限られます。

そのあたりの人間観察、人となりを見分けるのにマダガスカル人は非常に長けています。

これらのリスクを言い訳にせず輸入して初めて仕入れ業者を名乗れるのが私の持論です。

ここまでが自分と折り合いをつけるまでに必要なことであり、お客様と接するときにはさらに別の要素が必要となりますが、それは書くと長くなるので別の機会に説明します。

そこに言い訳が入り込む余地はありません。

為替リスクも現地の法改正で不利益を被っても全て自己責任です。

それぐらいの覚悟を決めてやっているのです。

仕入れ業者としての適性

仕入れ業者としての適性についても私なりに整理してみます。

端的に言いますと、現地人にとって不都合なことを末端顧客との間で積極的に引き受けてくれる業者が仕入れに向いていると言えます。

現地人にとっては、売り捌くのが難しい個体があります。

何度も述べているとおり、アンモナイトは全て良い状態で出てくるわけではありません。

原石まで可能性を拡げて仕入れを行うのが私のやり方

この訳あり個体を受け入れてくれる人、大きな個体も小さな個体も面倒だから混ぜて入れても文句を言わない人は現地人にとっては非常にありがたい存在です。

その結果、現地人も次の取引には優良個体をこの人には優先的にあてがってあげようとなります。

どんな個体を押し付けられても何とかして市場流通させる心構えは必要でしょう。冒頭に書いたように人それぞれ最適解は異なり、訳あり個体を必要とする方は必ず存在します。

訳あり個体を拒否してもその分優良個体の単価を現地人は引き上げるので結果は同じです。

それどころか訳あり個体分の値段はどちらにしても取られると訳あり個体が混ざってくることを私はポジティブにとらえています。

私自身の仕入れ業者としての変化

仕入れ業者として7年以上私はやってきているわけですが、その間に予期せぬトラブルや困難に直面しました。

3年前から続く超円安もそうですし、オウムガイを仕入れたらカルサイトの模造品が混ざってきたこともあります。

そのときも常連さんに裁断作業に協力していただき、解決に至りました。その翌年には現地から謝罪の代替品が同じ量を送付されてきました。

現地の職人が騙されて出荷されてきた模造品オウムガイ

その結果、物々交換に近い形で損失はほとんど補填されました。

最近の大きな変化として周辺環境に期待することをやめました。

円安の収束ももはや期待していませんのでEbayの出品を開始し、外貨獲得に乗り出しました。

黄鉄鉱個体の殻除去の実験や穴あき個体の修復等も過去には行っていませんでしたが、新たな試みとして取り入れています。

現地人ではできないことを間に入って行い、市場流通させてアンモナイトの実物を手に取って満足してしてもらうには現状維持、他力本願をやめ自己責任で行う気持ちは最近強くなっています。

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2024 虹色南瓜石(にいじろかぼちゃいし) All rights Reserved.
0 カート