アンモナイト販売にも投資同様損切りは必要か?
「アンモナイト安く落札されていても利益残るのですか?」との質問がたまに寄せられます。
結論から書きますとアンモナイトでも利益にならない損切りに相当する在庫放出は必要です。
どの業種でも赤字を覚悟して決断を迫られる瞬間はあるはずです。
例えば、飲食業界は食材の賞味期限があるためその日ごとの雑損処理が必要になるでしょう。この点、化石には賞味期限がありません。つまり、販売側がこの価格では売り捌けないから諦めようと自ら損切りを決断して叩き売りするときが損切りです。
その損切りをしなければ、場所はその売れない個体で占拠されてしまい、おのずと新たな仕入れができません。賞味期限や資金余力ではなく、自らが決めた瞬間が化石販売の損切りになるのは特殊かもしれません。
今年5月の仕入れ直後、足の踏み場もない事務所の光景
1円開始でオークションをする、まとめ売りをするといった販売方法は事業継続には必要不可欠です。
私自身の経験として、1個体ずつですべての落札や販売において赤字取引をなくすことは絶対にできません。
また、仮に望むような結果で購入されても運送業者が配送事故を起こすこともあります。配送事故の場合、私は代替品を発送して対応しています。要はその取引は売上になっても、代替個体の手配は丸々赤字となります。配送業者が悪いとの意見もあるかもしれませんが、その配送業者を選定したのは出品者であり最終責任は出品者であると私は考えています。
ただ、化石は期限を余裕をもって見定めて損失を確定させて前に進められるので、不動投資や株取引、為替取引のようなリスクよりは決断を迫る時の流れは化石に関しては緩やかです。
優良個体を少しでも高い値段で販売するのと同じく、定価販売でなかなか売れない個体が活躍できる場所を見出す販売もとても大切です。
むしろ誰でも容易にできる優良個体を高く販売することより、難あり個体をトラブルなく必要情報を正直に説明して販売する方が事業継続には求められているとも言えます。
現地人との信頼関係を構築する点でも難あり個体の仕入れは回避不可能であり、仮にそれを拒否しても単価は上がりますし、輸送中の破損も起きます。そういった予期せぬ事態にどうとでも対処できるかどうかがアンモナイト販売を継続できるかの鍵になります。