たまき
管理人のたまきです。
1979年11月13日生まれ、これまでアフリカで建設業を通じフランス語通訳や石油ガスプラントの海外営業業務に従事してきました。
アフリカの地政学リスクを取捨選択して事業展開しています。
他の販売者が仲介業者を介すところを自分だけで直輸入することで、コストを最大限カットし低価格と高品質を両立しています。
2018年よりマダガスカル産アンモナイトを年間トン規模で仕入れて販売しています。
BLOG & INFO
ちょうど1年前にマダガスカルのマジュンガ地域のアンモナイト村を訪れた話です。
インターネットが普及した現在でも40年近く昔に地層を訪れた人の記事くらいしか出てきません。
これには深い訳があり、マダガスカル人の警戒心の現れでもあります。
マダガスカルの田舎の村は一般社会と隔絶された電気も通っていない環境です。
その村に外国人が目立つ頭や服装で足を踏み入れると、金品狙いで山賊の襲撃を受けるリスクが格段に上がります。
私が地層訪問を許可された背景には5年以上大量に仕入れをしており、マダガスカル人の職人と信頼関係を構築できたことが大きく関係しています。いきなり地層が見たいと要望してもまず誰も受け入れてくれません。
村の財政は、米の収穫とアンモナイトによる外貨獲得で保たれています。つまり、アンモナイトが外貨獲得に大きく貢献していることを外敵に知られるわけにはいかないのです。
マダガスカルはフランスの旧植民地なので首都アンタナナリブや大都市ではフランス語が通じます。しかし、農村では識字率はまだ高くなくマダガスカル語のみで会話が成立しています。
これが何を意味するかと言えば、現地人の仲介なく村に行くことは外国人の身に危険が及ぶのと同義です。言葉も通じない、現地の事情もわからないとなればリスクは増大します。現地人にとっては山賊も外国人の来訪も招かざる客なわけです。
昨年私がこの村から仕入れたアンモナイトは青1000kg、キマトセラス100kg、黒200kgです。この発注量と訪問が天秤にかけられていたんです。
マダガスカルにおけるアンモナイト事業は政治が大きく関係しています。村の地層ごとに地主は存在しています。ただ、この地主たちはアンモナイトを自分たちで市場流通させることはできません。国の鉱山省から認可を受けている流通許可証を発行できる会社は6社しかなく、そのうち2社はフランス企業です。
アンモナイト好きなら一度は名前を耳にしているフランス人、軍人コリニョンによってマダガスカルのアンモナイトは学術的に分類され認知されるようになりました。彼の貢献をマダガスカル人は認めているものの、独立後までフランスに搾取されるシステムには心底嫌悪感を抱いています。
政治がらみの歴史は闇が深いので割愛しますが、複雑な地政学リスクを孕んでることはお分かりいただけると思います。
村まではトラクターで13時間休みなしで走行していきました。シートベルトもなし、排気ガスも吸い込みぱなっしの劣悪な環境でのアクセスでした。上述のとおり外敵から身を護るためあえて交通の便を悪いままにしています。
地層に到着してからは異次元の光景でした。道端に普通に破損したアンモナイトやその破片が散乱していました。
つまり、日の目を見ずに消えていたった個体が数え切れずあり、その犠牲の上に市場流通している個体が確保されているのです。
このときまでは、私も破損や修復に苦言を呈していましたが、これを機に180度考え方が変わりました。少しでも多くの個体を必要としてくれる人に届けることが使命と思うようになりました。
私が訪れた村の地層は井戸掘り式でした。地層Bekorotsakaは地上で採掘はしておらず、29-50mの深さを写真の井戸のように掘り300-500kg採れたら枯れてその地層は終わりといった感じです。
写真を交えて村の訪問エピソードについてふれました。
これだけたくさんの人が発掘から販売までに関わってくれているおかげで安定した個体数を市場供給できるわけです。今後もこのときの感謝の気持ちを忘れずに販売を継続していきます。
CLOSE
close