アンモナイト専門販売業者の珍しさ | 虹色南瓜石(にじいろかぼちゃいし)

BLOG & INFO

ブログ

アンモナイト専門販売業者の珍しさ

ミネラルショーや自分のイベントで遭遇する方々と話しても、決まって言われる一言が、

「アンモナイトの販売ばかりひたすら仕事としてやってるんですか?」

仕事としてやってる人がそれくらいいないんでしょうね。

確かに会社員や公務員と聞けば想像がわくのでしょうが、アンモナイト販売をしてますと言われたら何の冗談かと受け止められます。

以前に「アンモナイト専門店はなぜ存在しないのか?」のブログ記事でもふれていますけど、もう少し掘り下げてみていきます。

https://madamadamadagascar.com/madamadamadagascar/wp-admin/post.php?post=689&action=edit

アンモナイト専業の条件

私が個人的に考える条件は以下のとおり。

・ミネラルショーのような臨時イベントだけでなく、常時出品販売をしていること

・月あたりで安定した収支を記録していること

・販売実績を誰でも見れるSNS等で公開できること

調子がよいときだけでなく、不調なときも結果を公開してるスクショ

・原石や異常巻きといった稀少個体を仕入れたり、顧客からのニーズに応えれること

・行き場の見つけづらい個体を適材適所で捌けること

・地政学リスクと折り合いつけて現地の地層を自分の目に行けること

井戸式の地層、現地を見ていない人間が言う言葉は信用してもらえない

これらの条件を満たしても、他の職種でもらえる固定給よりははるかに手取りは少ないのでやる人がいないのが理由でしょう。

イベント会場のビルで遭遇する芸術家の方々も同じような話をされていたので、アンモナイト販売に限った話じゃないかもしれません。

私の肌感覚では、画家さんで専業で生計を立てている人よりも化石販売業だけで生計を立てている人はさらに少ない印象です。

もっと言えば、マダガスカル産アンモナイトで5年以上継続している人は数える程度しかいないでしょう。

私自身も不動産所得がある中で両立しているので専業かといえば、専業ではないでしょう。

扱っている商品がマダガスカル産の個体に特化しているので、ショップカードには「マダガスカルアンモナイト専門店」と表記しているに過ぎません。

天然石総合石屋と化石専門業者の違い

上野界隈に石屋がたくさんあるのに、なぜ化石業者は少ないのか想像すると答えは簡単です。

私が知る限り、マダガスカル産アンモナイトを販売している店は3つありましたが、そのうちの1つは国産アンモナイトのみの販売に最近変わりました。

テナント料やミネラルショーの高い出展料を払ってまでやる採算が見込めないからでしょう。

天然石や宝石で単価高い商売で一つ当たれば、化石の売上が上がらなくても待ち時間を設けれます。

一方、私の化石販売に関していえば、固定費や次の仕入れを考慮した場合、在庫を抱えて定価販売で売れるまで待つという選択肢はありません。

まるで回遊魚のように販売を続けることは容易ではありませんし、好きでないとやっていられなくなるはずです。その証拠に転売せどり屋が長続きしているのを見たためしがありません。

化石業者と一括りにすると誤解が生じるかもしれませんが、正確にいえばアンモナイト及びその隣接的な場所にいる化石のみで採算をあげることを私の中では意味しています。

なお、恐竜の化石や三葉虫といった化石には違った常識が作用しているかもしれません。

アンモナイト専門業者が今後出てくる可能性

超円安が収まる、または日本が高度経済成長期なみのベビーブーム再来がないと厳しいです。

AIやスマホが普及しても根っこにある部分はこれまでもこれからもアナログなのが化石販売です。

私がやってる出品作業も1商品につき10枚、サイトによっては15枚の写真必要となります。これにかかる時間は週2日費やして30-40時間はかかっています。

さらに、この写真撮影に使うカメラのスペックも最適な天候も縫合線個体や赤アンモナイト、青個体でそれぞれ違うのです。

これほど手間がかかる作業をビジネスベースに乗せて機械化した作業でやることは不可能です。

費用対効果を考えれば、これをビジネスとしてやりたい大企業は皆無と言い切れます。

これらの要素だけを列挙しても、アンモナイト専門業者が趣味領域の延長でしか存在しえないとの自分なりの見解に揺るぎはないです。

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2024 虹色南瓜石(にいじろかぼちゃいし) All rights Reserved.
0 カート