アンモナイトの運び屋、売人あるある
種の同定やら堅苦しいブログ記事が多いのでたまには軽い内容でいきます。

初対面の人とどんな会話になる?
先日、イベントに来場された方と以下のようなやりとりをしました。
お客様「入口にアンモナイトクリーニング体験て看板ぶらさがってますが、なかなか聞かないワードですよね?」
私「確かに保険関係や不動産のお仕事に従事されてる方は多いですけど、アンモナイト販売してます、クリーニングしてますて確かにいないかもしれませんね。」
お客様「文明が滅びて一から出直してなったときも、存在してそうな職業ですよね。」
私「最近のSNSとかの切り抜き動画見ると、高度文明レベルに到達したらリセットされてそうですね。」
と、こんな会話でした。
アンモナイト販売を年中してる行為自体が社会の中ではバグ現象てのは体感として間違いなさそうです。
ちなみに一番多い質問は、「これを主な仕事とされているのでしょうか?」です。
研究者の方や学校の理科の先生、ハンドクラフト作家の方が化石に付加価値を与えるような仕事をされていることは誰にでも想像可能な範囲かと思います。
一方、私の担ってる役割はアンモナイト大量輸入や小売販売、クリーニング体験イベント開催です。
これが日本社会の中でおかしな立ち位置にあるので、聞く側からすればはてなマークしか頭に点灯しないのでしょう。言い換えれば、それくらいアンモナイトが初対面の人に話題性は勝手に提供してくれます。

なぜこのような仕事が誕生したのか?
そもそも化石に興味がない人からすれば、アンモナイトを毎週販売してその売上でまた仕入れを行ってる人がいるのが奇妙に映るのだと思います。
この人何が嬉しくてやってるんだろう?と素朴な疑問が生まれるのは自然な流れでしょう。
実際、私の子どもも学校や幼稚園で親の職業を訊かれても、父はアンモナイトを販売してますとしか説明しようがありません。
過去のブログ記事でもふれているように現状に落ち着いた背景にはそれなりの理由があります。
元々、私は学んだ言語がフランス語・英語だったため、アフリカを主戦場として人生を歩んできました。
私はフランス語を勉強しても音楽や美術といった芸術関係の仕事とは縁がなく、おのずと仕事場所はテロや強盗団と追っかけこをするような国に限られ、いつでも簡単に島流しにされる運命をたどりました。
ところが、長い目で見れば仕事探しにはこれが幸いしたのです。なぜならフランス旧植民地の法律や通関ルール、税法等はすべて帝国主義の負の遺産ではあるものの、アフリカやマダガスカルといった多数の国において共通コードとして成立していたのです。
怠け者の私はここぞとばかりに参入障壁が低い危険国を労働場所として選びました。
わかりやすく説明すると、
私の場合、日本社会の厳しい上下関係や拘束時間の長さによるストレス>アフリカの危険国のストレス
殆どの日本人の場合、日本社会の厳しい上下関係や拘束時間の長さによるストレス<アフリカの危険国のストレス
だっただけのことであり、そこの能力の優劣は関係なく、ただ単にリスク適性の問題だけが決定要因となりました。
日本人がアフリカで嫌がることは思いつくかぎりでも、治安が悪い、風土病が怖い、気候変動が激しい、交通インフラが悪い等数えきれません。
これが私には大してストレスにならなかったのです。
そこにアンモナイトが単価の安いビジネスとして、山口の田舎で昔駄菓子屋で年配の方のやさしさにふれて育った私には肌に合うかもしれないと思いつきました。
ひたすら1円開始のオークションをしているのは、仲介業者を排除して取引国がアンモナイトの産出量や種が群を抜いているマダガスカルだから成立しているだけです。なお、モロッコやナイジェリア等からの輸入も検討したことはありますが、現実的ではないため即座に断念しました。
ただ単に危険な国の仕事をしてもいい人が見つからず、結果として他人に頼らず自分ですべてのリスクを背負い直輸入した結果として、現在の販売方法を成立させたのだろうなと最近考えを改めました。
このような経緯をたどり、アンモナイトの運び屋、売人が誕生しました。

アンモナイト販売をしていて得すること
思いつくアンモナイト販売のメリットを列挙してみます。
・冒頭に記載のとおり、話題に困らない。
・飲食店や植物販売と異なり賞味期限が存在しないので在庫抱えても平気である。
・為替変動リスクが発生しても物々交換の要素で円安や円高が取引額によって調整される。
・定価がないので価格決定の裁量範囲、自由設定が可能である。
・破損があってもその個体を有効活用できる人に巡り合える。
・共通のアンモナイトを取り巻く話題があり、年齢差や性別を気にすることがない。
・スポーツとは異なり、体力の衰えを知恵でカバーして販売継続できる。
アンモナイト販売をしていて苦労すること
あまりストレスやデメリットを感じることはないのですが、強いていうなら以下。
・在庫を抱えると場所を占拠してしまい、その維持費が倉庫代としてかかる。
・化石を宝石と勘違いして完璧を求める方が来ると説明が大変なことになる。
・大昔に生息していたアンモナイトの化石につき、正確な情報を取得するまで時間がかかる。
・重量が相当あるので腰を痛めて腰痛になりやすくなる。
・どれだけ梱包を厳重にしてもやはり輸送中の破損事故が0にはならない。
おそらくこの程度の難点はどの職種にも存在するので、比較にならないくらい軽いストレスと私は捉えています。
重要な注意事項
何度かブログに書いていますが、アンモナイトの売上はすべてのサイトを合算しても年間1700件程度です。単価は他の商材と比べれば安く、専業で従事するには割に合いません。
好きでやっていることだから、高い利益率は見込まないことが大切です。
やりたいから時間をもっていかれても苦にならない人しかやるべき仕事じゃありません。
思いつくかぎりのアンモナイト販売を取り巻く環境について書いてみました。
誰も同じことやりたいと思う人はいないと思いますが、やってみると楽しいはずです。

