マダガスカル アンモナイト プゾシア クリーニング

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アンモナイトのクリーニング記録

これまで少ししか触れてないクリーニング作業について本日は書いてみます。

クリーニングの意義

既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、昨年からクリーニングを施した個体を販売しています。

みなさんご存知のとおり、化石にはクリーニングがつきものです。 ほとんどの化石は見つかった時に岩石などが付着、または岩石に埋もれた状態で見つかります。

クリーニング作業では、原石状態から化石本来の良さや美しさを人の力で最大限引き出します。

マダガスカル人も研磨やクリーニングは施しているものの、大量生産につき細部に至る仕上げは雑なことも多いため、販売前に手作業で追加クリーニングを行っています。

プゾシア(Puzosia quenstedti)のクリーニング経過

サイズは3センチほどでやや小さい個体ではあるものの、変形はなく綺麗に仕上がりそうなため選びました。

写真1.原石の状態

道具はダイソーにて販売されている画鋲やケガキバリを使います。

写真2.へその母岩落とすのに役立つケガキ針

写真で見てわかる通りかなり強い色が見えています。 また多くの母岩がこびり付くように残っています。

写真3.少し作業が進捗し住房部に変化


クリーニングが少し進み、住房部のこびりつきが少し減った様子が分かります。

ケガキバリで化石表面が見える寸前まで母岩を削る手法なため殻の表面はどうしても傷がついてしまいます。

この手の化石には最も用いられる手法です。サンドブラスターを使える方はもっと表面は美しく仕上げられるでしょう。

写真4.さらに作業が進み母岩がこびりつきが減り遊色が変化

写真のとおり、さらにこびりつきが減り、遊色に変化が少し見られます。

この変化はクリーニング作業中で化石を濡らしているため光の屈折の影響、また表面の遊色の層をケガキバリで傷つけた影響によるものと考えられます。

写真5.へその削り取り大部分完了時点の状態

へその部分を大まかに削り、全体がかなりはっきり露出しています。

また、アンモナイトの肋の隙間の母岩こびりつきを剥がし、かなり汚れも目立たなくなっています。

この際に力加減を間違えると肋を削ってしまうので注意が必要です。

写真6. クリーニング個体の完成

段階を経て丁寧に作業してきて写真のように完成個体が生まれます。

最後に部分的に残っている母岩を丁寧に剥がして仕上げました。

殻口の縁が欠損していいるものの、変形もなくへその中心まで残った美しい標本に仕上がりました。

写真7.クリーニングを経た輝き

クリーニングの費用対効果

今回掲載した個体のようにすべての個体が手間をかけて輝いてくれるとは限りません。

しかし、原石の状態から磨きあげ、想像していた以上の姿を見せてくれる可能性があるのもアンモナイトの大きな魅力です。

もしも時間と費用が許すのであれば、クリーニング体験をしてみるのもよいかもしれません。

作業中に破損が生じたり、思わぬ費用が発生したりして割に合わないこともあるかもしれません。

それでもクリーニング作業は貴重な経験になり、市場に流通しているアンモナイトを眺める視点も変わる可能性を秘めているのもまた事実です。

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