「目的」と「手段」逆転させるとどうなる?
最近自分の中で「目的」と「手段」をひっくり返すことを言葉で具現化していますので少しふれてみたいと思います。
アンモナイト事業の目的
一般の化石販売業者の人にとっての「目的」はなんでしょうか?
私が推測するに利益を上げて事業継続を図ると答える人が大半でしょう。
では、私はこの利益を上げるという行為は私のアンモナイト事業の「目的」とはなっていません。
マダガスカル産アンモナイトの博物館を建てることが「目的」であり、それに利益をあげて近づくようにしています。
ヤフーオークションにおいても1円開始を継続しているのは無意識でその「目的」と「手段」の逆転現象が起きているからなのでしょう。
最終目的が利益をあげてお金を稼ぐことではないので1円落札があってもあまり気にしません。

アンモナイト事業以外の分野ではどうなのか?
いつからこの逆転現象が起きているのか考えてみました。
例えば、大学に入学したときも教育学部を選んでいるものの、教師になるために大学に私は通っていませんでした。
教育学部にいって他の学生が教育実習にいく分、休みがゼロ免課程の学生には長かったこと、受験科目が少なかったことが理由でした。
大学に行ったのは、自分がやりたいことを見つけることが「目的」でその「手段」として大学入学の選択肢があっただけです。
さらに就職についても同じでした。
一般に日本人は大手企業に就職したい、キャリア官僚になりたいから高学歴や語学力習得を目指すはずです。
私は、フランス語を大学在学中に私費留学で身につけました。ただ、それは就職活動を有利に進めたかったわけではありません。
就職先は西アフリカに私を即刻駐在させてくれる職場を選びました。
なぜなら私の「目的」は大手企業や政府機関で働くことではなく、フランス語を上達させることができる職場環境にありつくことでした。つまり、フランス語が使えれば業界や企業名等はどうでもよかったのです。
一般の人は、フランス語を身につけて大手商社やプラント建設業に就職する流れを選びます。
逆に私は、たまたまゼネコン、生命保険、石油プラントの業界就職をフランス語を実践する「手段」として用いて、「目的」はフランス語を日々使える環境でした。

アンモナイト販売においてこの逆転現象は何を生む?
アンモナイトに限らず天然石や化石を仕入れる業者は仲介業者をからませています。
なぜでしょうか?
それは彼らが販路を確立してから余剰在庫を抱えないリスク管理をしているからでしょう。現地人の現金持ち逃げリスクを回避するためかもしれません。
「目的」が利益をあげることであれば当然それが優先されてきます。その「手段」として事前に販売できそうな量を仕入れを行います。
私は、販売方法は特に考えずとりあえず昨年は2200kgのアンモナイトを仕入れました。
仕入れ前に販売経路は全く下調べしていませんし、今もしていません。
仕入れて船便が届いたら販売方法や組み合わせ、個数等を考えてゲームのテトリスやぷよぷよのように在庫を減らしていきます。そもそも私は将来的に博物館を建設することが「目的」であり、その「手段」として仕入れを行っています。
この逆転現象を自然体で行えば、他の人と真逆の視点で動けるので競争にさらされません。正確には誰もそんな売れるかどうかわからない在庫を抱えたくないのでしょうから、競争したくもないのかもしれません。
私は就職のときもアフリカ駐在を受け入れており、他者との競争には殆どさらされず転職できましたし、アンモナイト販売も古生物学を勉強せずに開始しているので忖度やしがらみはありません。
世の中には、この2つの要素をひっくり返すことで自分によって有利な環境を作りだせることが多いのかもしれません。
以前記載したアンモナイト専業の事業者がいないのもそういった背景事情からなのでしょう。

結論
「目的」と「手段」をひっくり返すことでリスク回避思考の強い社会ではバグ現象に近いものが生まれます。
このバグ現象にはAIも高度教育を受けてきた人や組織も対処しきれません。
今後AIやアルゴリズム研究はさらに進んでいくでしょう。
その中で「目的」と「手段」をひっくり返すことで知識を集約して知恵に昇華しバグ現象を起こせれば生存競争に生き残れる可能性は増すでしょう。